転職活動を始めたものの、なかなか内定が出ないと不安な気持ちになってしまうでしょう。転職が決まらないのは何が悪いのか、何をすればうまくいくのか分からず焦ってしまい、やみくもに動いたり、必要以上に自分を責めたりしてしまう人もいるかもしれません。そんなときは、一度冷静に状況を把握し、有効な対策について考えてみることが大切です。
この記事では、転職が決まらない原因と対処法について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
通常、転職までにかかる期間はどのくらい?
転職活動にかかる平均的な期間は3ヶ月程度と言われていますが、転職希望者それぞれの状況によって幅があります。
厚生労働省発表の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間は、「転職活動期間なし」が23.6%、「1ヶ月未満」が18.3%、「1ヶ月以上3ヶ月未満」が28.8%、「3ヶ月以上6ヶ月未満」が15.7%となっています。
つまり、転職活動期間は1ヶ月から3ヶ月程度かかる人が最も多いといえます。さらに、約8割の人が転職活動を始めてから半年以内に転職していることも分かるでしょう。
ただし、応募者の年代やキャリア、応募する職種によって要する期間も異なるため、上記期間はあくまで目安です。なかなか転職が決まらないと感じても、焦ったり落ち込んでしまったりするのではなく、自身の状況を冷静に分析して対策を考えるようにしましょう。
転職が決まらない原因
転職が決まらない場合には、まずその原因を明確にする必要があります。うまくいかない原因はどこにあるのか、項目に分けて見ていきましょう。
原因1. 事前準備が不十分
キャリアの棚卸しができていない
キャリアの棚卸しとは、これまで自分がどんな仕事をやってきて、どんなスキルが身に付いたのかを洗い出す作業です。キャリアの棚卸しができていないと、自分の強みや専門性が明確にならず、自分を採用してもらうメリットを企業側に伝えることができません。そのため、今までの職種や具体的な業務内容、実績、自分の持っている能力やスキルについて、自身の経験を振り返って整理する必要があります。
自己分析が不十分
自分の性格や価値観を理解できていないと、面接でうまく話せないだけでなく、「どんな企業で働きたいのか」という転職の軸を考えることもできません。転職の軸を作ることは、企業選びにおいて非常に重要です。
これまでの経験のなかで、やりがいを感じたことや落ち込んだこと、そのときに感じた感情も一緒に書き出すことで、自分の性格や価値観、仕事におけるモチベーションが見えてくるでしょう。また、それによって自分に向いている仕事・向いていない仕事を把握することにもつながります。
自己分析は済んでいると思っている人でも、客観的に分析できていない可能性があります。自分を第三者の視点に立って正しく分析するのは簡単ではありません。客観的な視点から自己理解を深められるよう、周囲の人に自分の印象や長所、短所などについて質問してみると良いでしょう。
ゴールが不明確
そもそも、どんな企業に内定が決まれば転職が成功したといえるのか、明確な目標を設定できていなければ、ゴールが分からず転職活動が長期化しやすくなります。「より労働環境の良い企業で働きたい」「もっと給料の高い仕事に就きたい」というぼんやりとした目標しか持っていないと、「もっと良い条件のところがあるのではないか」「今の職場のほうがが良いかもしれない」などと転職活動の過程で迷いが生じてしまいます。
転職の軸となる、転職先を選ぶうえで譲れない条件を明確にして、どのような企業に転職できれば転職成功といえるのか、あらかじめ考えておくことが大切です。ゴール設定をしっかり行うことが転職活動を長期化しないためのポイントのひとつといえるでしょう。
原因2. 応募数が足りない
「なかなか転職が決まらない」という人は、応募社数が少なすぎる可能性があります。
ただ複数企業の選考を受ければ良いというものではありませんが、ごく少数の企業にしか応募しないのは転職活動がスムーズに進まない要因になります。
100%自分の希望を叶えられる企業を見つけようとすると、応募数は限られてしまうかもしれません。その場合は、絶対に譲れない転職先の条件をいくつかに絞り、その転職の軸をもとに企業を選定してみることで、自分に合う企業を複数選ぶことができるでしょう。
また、志望企業を探す際にさまざまな方法を試してみることも重要です。企業の探し方は転職サイトや転職エージェント、転職イベントなどさまざまあります。それぞれ紹介されている企業が異なるため、ひとつの方法に固執することなく、幅広くチェックするようにしましょう。複数の媒体を使って情報収集を行い、視野をひろげて企業を探すようにしてみてください。
原因3. 選考用書類の内容が不十分
書類選考がなかなか通過できない人は、提出した履歴書や職務経歴書の内容に問題がある可能性があります。以下のようなポイントがしっかり押さえられているか、改めて確認しましょう。
原因4. 面接対策不足
書類選考は通過できても面接で落ちてしまう人は、面接への対策不足が考えられます。以下の項目に心当たりがないか、確認してみてください。
業界・企業研究が不十分
面接官は、応募者が業界や企業の特色を理解したうえで志望しているのか、業務内容についてきちんと把握しているのかなどを見ています。
業界や企業の魅力・課題についてしっかり理解できておらず、抽象的な言葉でしか答えられないと、志望度が低いと思われるかもしれません。もちろん、業界・企業研究は企業選定の段階においても重要ですが、面接で応募先への熱意を伝え、「自分が入社したらどう活躍できるのか」「その業界・企業で何をしたいと思っているのか」を明確にアピールするためにも徹底して行いましょう。
熱意の伝わる志望動機が作成できていない
志望動機が抽象的で、どんな企業にも流用できるような内容では、応募先に熱意が伝わりません。複数社に応募している場合でも、それぞれの企業に合わせて志望動機を用意しましょう。その際、給与や福利厚生といった条件面だけでなく、企業や仕事内容に対して感じている魅力も含めて、分かりやすく伝えられるようにしてください。
企業に合わせた自己PRが用意できていない
どの企業の面接でも自己PRを用意することは必要ですが、答える内容が毎回同じではいけません。自己分析の内容と企業の求める人物像を照らし合わせて、しっかりとアピールにつながる自己PRを用意することが大切です。
自己PRを作成する際には、過去の経験をもとに具体的なエピソードを盛り込み、そのとき何を考えて行動したのか、その経験によって何を得たのかが伝わるような内容を考えてください。自己PRを聞いた面接官が「入社後にこんな風に活躍してくれそう」と思い描けるよう、構成を考えて話し方も練習しておくと良いでしょう。
転職が決まらないときの対処法
なかなか転職先が決まらないと、気分が落ち込んでしまうかもしれません。そんなときには自分を責めたり悩んだまま時間だけが過ぎてしまったりしないよう、改めてできることを見直してみてください。
以下では、転職が決まらないときの対処法について3つ紹介します。
対処法1. 躓いているポイントを分析する
まずは、なぜ書類選考が通らないのか、面接で不合格になってしまうのかなど、どこで躓いているのかを分析し、その部分を見直してみることが大事です。
書類が通りにくいのであれば、内容や書き方について見直してみたり、面接で落ちてしまうのであれば、想定質問を考えて録音しながら練習してみたりするなど、自分の課題箇所を受けとめ、ひとつひとつ改善していきましょう。
対処法2. 第三者に相談する
自分ひとりの頭で考えていても、行き詰ってしまうことも多いです。そのため、課題や対処法を的確に掴めるよう、第三者からの客観的な意見を求めましょう。親しい友人などに相談することもひとつの方法ですが、転職に関わる専門家に相談するとより具体的なアドバイスをもらえる可能性が高いです。
例えば、転職エージェントのなかには、企業の求人紹介だけでなく、自己分析や面接練習のサポート、書類の添削まで行ってくれるところも少なくありません。また、自身のキャリアについて相談できるキャリアカウンセリングでは、転職に限らず、仕事を通した人生の悩みについて広く聞いてもらうことができます。さらに、各自治体や大学にある就労相談窓口でも専門の相談員が、仕事探しの相談から書類の書き方、面接の指導まで、就労に関するさまざまな悩みに対して支援してくれるなど、相談先は複数あります。自分に合った相談先を選んで、悩みを話してみると良いでしょう。
対処法3. 気持ちをリセットして「転職の軸」を明確に
転職活動をしているときには不安や緊張も多く、前に進めないとネガティブな気分になってしまうこともあります。
しかし、気持ちが落ちた状態で悩み過ぎてしまうと、なかなか前に進むことができません。そのため、気分転換をしたり、誰かに相談したりして、ひとりで落ち込まないようにするのも転職活動を成功させる秘訣です。
また、長期にわたる転職活動においては、都度「転職によって何を叶えたいのか」「何のために転職活動をしているのか」という転職の軸を考えるようにしましょう。転職の軸は転職活動の方向性を示す指針になるため、どうすれば良いか分からなくなってしまったときには、一度立ち止まって考え直してみるようにしてください。
まとめ
転職が決まらないときは、どこに課題があって、何をどう改善すれば良いのか、改めて把握することが必要です。冷静になって躓いているポイントを見極めることができれば、また前に進んでいけるはずです。
ひとりで悩みを抱え込まず、第三者の力も借りながら、理想の企業へ転職できるよう対策していきましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー:
八重樫 勇輝
株式会社ReBoot代表取締役
年齢:29
出身地:岩手県
趣味:漫画・映画鑑賞
経歴:
自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。
現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。
求職者の皆様への一言:
面談から求人のご案内、資料の作成、入社後のフォローまで手厚くサポート致します!
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